【5月21日 AFP】女子テニス、四大大会(グランドスラム)通算4勝の大坂なおみ(Naomi Osaka)は20日、昨年の全仏オープン(French Open 2021)を途中棄権したことで人々の「気分を害した」かもしれないと心配し、今年の同大会で戻ってくることには「不安があった」と明かした。

 元世界ランキング1位の大坂は、昨年のローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)で試合後の記者会見を拒否。罰金を科され、さらにはグランドスラム出場禁止の可能性を警告されるなど物議を醸した。その後は休養を取り、うつとの闘いに苦しんでいたことを告白した。

 大坂はこの日、22日に開幕する全仏に向けた公式会見に出席し、「ごまかすつもりはない。最初にここへ来たときはとても不安があった」とコメント。「気分を害した人たちがいたり、そうした人たちに出くわしたりすることを不安に思っていた」とし、「もちろん、自分の対処の仕方も良くなかった」と続けた。

 さらに、「この記者会見のことも、とても不安だった。多くの質問を受けることになるのは分かっていたから」と話し、「今ここにいても、そのことが頭から消えたとは言えない」と明かした。

 公の場で厳しい経験をするようになってからは警戒心が強くなり、ジュニア時代やキャリア初期ほど自然に振る舞えなくなっているといい、「以前はもっと面白い人間だったと思う。冗談を言えたし、それが理解されなくても気にならなかった」とも語った。

 つらく不本意な日々を過ごしたここ1年の間に、大坂は世界ランキングが38位まで後退しており、今回の全仏オープンにはノーシードとして臨む。

 1回戦の相手は、2019年大会のセミファイナリストで第27シードのアマンダ・アニシモバ(Amanda Anisimova、米国)。今年は全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)の3回戦で対戦して敗れている。

 大坂は「インディアンウェルズ(Indian Wells、BNPパリバ・オープン)のエキシビションマッチでも、彼女にこてんぱんにやられた。だから、2ポイント以上は取れるようにしたい」と笑顔で話した。(c)AFP/Dave JAMES