【5月21日 AFP】フランス大統領府は20日、新内閣の名簿を発表した。外相や国防相を交代させ、6月の議会選に弾みをつけることを目指す。

 新外相にはカトリーヌ・コロナ(Catherine Colonna)駐英大使を起用。女性の仏外相は史上2人目となる。新国防相にはセバスチャン・ルコルニュ(Sebastien Lecornu)海外県・海外領土相が任命された。

 ロシアのウクライナ侵攻に対するフランスの対応はこれまでエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が主導してきたものの、この状況下での外相と国防相の変更は物議を醸すとみられる。先月24日の大統領選決選投票で極右候補のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏を破って再選されたマクロン氏は、社会福祉や年金、減税を含む行政刷新を推進するため、来月行われる議会選で与党勢力が過半数を獲得することを目指している。

 最も予想外の人選となったのが国民教育・青少年・スポーツ相で、右派のジャンミシェル・ブランケール(Jean-Michel Blanquer)氏に代わり、植民地主義と人種関係を専門とする著名学者のパプ・ヌディアイ(Pap Ndiaye)氏が任命された。

 新内閣の発表はマクロン氏の再選からほぼ4週間を要しており、野党はマクロン氏が発表を意図的に遅らせていると非難していた。メディア報道が新内閣の人事に集中することで、議会選の選挙活動は影を潜め、野党は埋没させられていた。(c)AFP/Jérôme RIVET and Adam PLOWRIGHT