【5月20日 AFP】1955年製のメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)のスポーツカーが5日、競売に掛けられ、1億3500万ユーロ(約182億円)で落札された。車として史上最高額。クラシックカー専門競売会社RMサザビーズ(RM Sotheby's)が19日、発表した。

 落札されたのは「メルセデス・ベンツ300SLRウーレンハウト・クーペ(Mercedes-Benz 300 SLR Uhlenhaut Coupe)」。落札したのは個人収集家だという。これまでの自動車の最高額は、2018年に落札された「フェラーリ250GTO(Ferrari 250 GTO)」の4800万ドル(約61億4000万円)だった。

 RMサザビーズによると、落札された300SLRは、メルセデス・ベンツのレーシング部門が2台のみ製造したプロトタイプの1台。落札者は特別イベントなどに車を貸し出すことに同意しているという。残る1台はメルセデス・ベンツ博物館(MercedesBenz Museum)で引き続き展示される。

 車名は開発を手掛けたエンジニア、ルドルフ・ウーレンハウト(Rudolf Uhlenhaut)氏にちなんでいる。

 競売は招待客限定で、ドイツ・シュツットガルト(Stuttgart)のメルセデス・ベンツ博物館で行われた。同社は、すべてのジャンルを通じ、これまでの落札額としては上位10位に入るとしている。

 AFPがまとめた、近年行われた競売落札額ランキングでは、300SLRは6位か7位に入る。

 史上最高額は2017年11月に落札された、レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)の「サルバトール・ムンディ(救世主、Salvator Mundi)」の4億5030万ドル(現在のレートで約576億円)、2位は今月競売に掛けられたアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の「ショット・セージブルー・マリリン(Shot Sage Blue Marilyn)」の1億9500万ドル(約250億円)。

 300SLRは1955年のルマン(Le Mans)24時間耐久レースで、ドライバーと観客83人が死亡する大事故を起こし、開発中止となった。(c)AFP