【5月20日 People’s Daily】中国福建省(Fujian)南平市(Nanping)順昌県(Shunchang)にある際下村に住む蕭樹昌(Xiao Shuchang)さんは、昨年20ムー(約1.3ヘクタール)あまりの山林を国有林経営に現物投資して以来、自分の山でニワトリ数百羽を飼い、妻は近くの工場で働いてきた。春節の前に家計の決算をしたところ、収入は全部で3万元(約56万円)ほどあり、生活はどんどんやりがいを増しているという。

「県有や国有の林で『森林生態銀行』を設立しました。林業従事者は銀行の貯金と同じように森林資源を『貯金』とすることができます。最低限の収益は保障され、最終伐採の時には配当が出ます」と、順昌県の国有林責任者の趙剛源(Zhao gangyuan)さんは言う。

 順昌県は森林資源が豊富で、250万ムー(約16ヘクタール)の森林を擁し、80.34%が森林に覆われている。2018年から、南平市は順昌県をパイロット地点にして、県有・国有林を使った「森林生態銀行」を始めた。分散して零細化していた林業資源を大規模化・集約化し、専業運営としての付加価値を高めた。やり方も林業従事者が株式合作制、貸借、委託管理、などから選択できるようにし、また材木の所有権や森林の請け負い経営権なども直接に移転できるようにした。

 蕭樹昌さんは株式合作制を選択した。「26ムー(約1.7ヘクタール)を『貯金』に入れましたが、請け負い期間内は1ムー(約667平方メートル)ごとにあらかじめ1800元(約3万円)の配当がありました。伐採の時には1ムーあたり10立方メートル以上の部分については配当が8割出ました」

 2020年からは際下村の農家のうち、第1陣の山林請け負い経営権が続々と満期を迎え、村内でも農家の同意を得て、「最低限の収益保障、伐採時に配当」というモデルに基づいて、県有・国有林の集団運営を行うこととし、全村で森林2636ムー(約176ヘクタール)を現物投資した。

 2021年末には、順昌県で「森林生態銀行」に納入された山林は8万1500ムー(約5430ヘクタール)にのぼり、全県で恩恵を受けた林業従事者は2510戸、林業従事者の増収を促進した。

 他にも、順昌県は県有・国有林を主体として、権利担保企業を組織し、企業と村、個々の林業従事者に融資担保サービスを行っている。順昌県の「森林生態銀行」林業金融サービス企業の責任者である周翠霞(Zhou Cuixia)さんによれば、目下すでに3億500万元(約57兆円)の担保つきローンが組まれ、林業従事者への融資コストは1500万元(約2億8000万円)以上節約された。さらに、彼らは分散・零細化した生態資源を集中させ、自然資源・資産の運営管理プラットフォームを構築し、産業の多様な発展を促している。

「森林生態銀行」の理念と運用モデルは、林業従事者にとって森林資源の「青い山」を「金の山」に変える道であり、農村が抱える労働力の不足・林業資源の放置・林業経営収益効率の低下・営業モデルの単一性などの問題を一挙に解決するものである。ばらばらになったものをまとめ、プラットフォームを形成し、森林資源を効率的に開発し、エコ産業化を実現し、林業が質の高い発展を遂げる基礎を構築する取り組みである。(c)People’s Daily/AFPBB News