【5月18日 AFP】カナダ東部ケベック(Quebec)州の保険当局は、サル痘に感染した疑いのある十数件の症例について調査している。公営カナダ放送協会(CBC)が18日、報じた。サル痘はまれなウイルス感染症で、重症化することもある。

 CBCによると、ケベック州モントリオール(Montreal)の保健当局は、性感染症や血液感染症を専門とするクリニックからの報告を受け、少なくとも13人の感染疑い患者の調査を進めている。感染の有無は近日中に判明する見通し。

 サル痘をめぐっては今週、欧州各国の保健当局が数十人の患者を確認したと報告。米国も18日、最近カナダを訪れていた男性1人の感染を確認した。

 米疾病対策センター(CDC)によると、サル痘は、感染者の体液や発疹に触れたり、衣類や寝具などの「汚染された物」を共有したりすることで感染する。発熱、筋肉痛、リンパ節の腫れなどのインフルエンザと似た症状が出た後、顔や体に水痘のような発疹が出現することが多い。サル痘ウイルスには、家庭用消毒剤による消毒・除菌が有効とされる。

 ここ2週間、サル痘の報告がまれなポルトガルやスペイン、英国でも集団感染が確認されている。CDCのポックスウイルス専門家、インガー・デイモン(Inger Damon)氏は、最近報告されている症例は「性的ネットワーク」の中で感染していることが多いと指摘した。

 欧州の感染者には男性同士で性行為をした人も含まれていたが、CDCは「性的指向にかかわらず、誰でも感染させる恐れがある」と強調している。(c)AFP