【5月19日 AFP】ウクライナの登山家アントニーナ・サモイロワ(Antonina Samoilova)さん(33)が先週、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)に登頂し、山頂で「ウクライナと共に」と書かれた国旗を掲げた。

 ネパールの首都カトマンズに戻ったサモイロワさんは18日、AFPに対し、山頂で国旗を広げた時には涙が込み上げてきたと回想。ロシアの侵攻を受ける母国に対する世界の関心が薄れつつあることを懸念し、「私たちにはさらなる支援が必要。世界中からの支援が必要だ」と語り、ウクライナの危機は「まだ終わっていない」と訴えた。

 サモイロワさんの父と兄弟は、ロシア軍の侵攻から国を守るため軍隊に志願した。登頂中は何日も家族と連絡が取れず心配だったが、下山中、父らがいる地域では戦闘が起きていないことを知り、胸をなでおろした。ベースキャンプに着くと、父から「おまえは私たちの誇りであるだけでなく、ウクライナ全体にとっての誇りだ」とのメッセージを受け取ったという。

 サモイロワさんは七大陸最高峰「セブンサミット(Seven Summits)」の登頂を目指しており、これまでにアフリカのキリマンジャロ(Kilimanjaro)と欧州のエルブルース(Elbrus)、南極のビンソン(Vinson)の登頂に成功した。(c)AFP