【5月19日 AFP】ウクライナ東部の一部を実効支配する親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」の指導者デニス・プシーリン(Denis Pushilin)氏は18日、ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリ(Mariupol)のアゾフスターリ(Azovstal)製鉄所には現在もウクライナ側の司令官ら1000人以上の部隊が残っていると述べた。

 ロシア国防省によると、製鉄所から16日以降に投降したウクライナ兵は計959人。プシーリン氏は、ロシア軍主催のプレスツアーに参加したAFPに対し、製鉄所の広大な敷地内に当初いた戦闘員は約2000人で、そのうち「半数余り」が残っていると説明。ウクライナ軍の精鋭部隊「アゾフ連隊(Azov Regiment)」の司令官や階級が上の兵士は今も立てこもっていると述べた。

 また、製鉄所内では物資が不足しており、降伏する以外の選択肢がほぼなかったとも説明。降伏した「戦争犯罪者や民族主義者」のウクライナ兵が裁判にかけられる可能性を示唆した。

 製鉄所はウクライナのロシア軍に対する抵抗の象徴となっている。ウクライナ国防省は内部に残る兵士を救うため全力を尽くすとしているが、軍事的な手段での救出は不可能であることを認めている。(c)AFP