【5月18日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は17日、銃乱射事件が起きたニューヨーク州バファロー(Buffalo)で行った演説で、事件の背景にあった白人至上主義思想を「毒」と呼んだ上で、人種差別が政治的利益のために利用されていると批判した。

 14日に起きた事件では、スーパーマーケットでアフリカ系米国人10人を殺害したとして、白人のペイトン・ジェンドロン(Payton Gendron)容疑者(18)が逮捕された。容疑者は犯行声明の中で、左派が非白人の移民を流入させることで白人を圧倒しようとしていると主張する陰謀論「置き換え理論」に言及していた。

 バイデン氏は、事件について「単純明快なテロリズムだ。国産テロだ」とし、「白人至上主義はこの国に広がる毒であり、われわれの目の前で世をむしばむことを容認されてきた」と指摘。「政治的利益や収益のためにうそを広めている人々」を非難するとともに、殺傷能力の高い銃の所有制限も訴えた。

 また、3歳の息子に誕生日のケーキを買うためにスーパーを訪れて犠牲になったアンドレ・マクニール(Andre Mackniel)さん(53)に言及する際、涙をこらえる様子も見せた。(c)AFP/Nicholas Kamm with Sebastian Smith in Washington