【5月18日 AFP】(更新)スウェーデンとフィンランドの北欧2か国は18日、北大西洋条約機構(NATO)加盟を同時に申請する。両国が17日、発表した。

 スウェーデンのマグダレナ・アンデション(Magdalena Andersson)首相は、フィンランドのサウリ・ニーニスト(Sauli Niinisto)大統領と開いた共同記者会見で、「われわれが同じ道を歩み、(加盟申請を)共にできることをうれしく思う」と述べた。両首脳は19日、米首都ワシントンでジョー・バイデン(Joe Biden)大統領と会談し、加盟申請について協議する予定。

 フィンランド議会は17日、1日半におよぶ長時間の議論を経て、議員200人のうち賛成188人の圧倒的多数でNATO加盟を承認した。75年以上にわたり維持してきた軍事的非同盟方針の劇的な転換となる。スウェーデンも、第2次世界大戦(World War II)では中立を保ち、200年以上にわたって軍事的な非同盟を貫いてきたが、ロシアによるウクライナ侵攻は北欧2か国を揺るがしていた。

 ロシアと約1300キロにおよぶ国境を共有するフィンランドは、100年以上にわたりロシア帝国の一部だったが、1917年に独立。39年にソビエト連邦に侵攻された「冬戦争(Winter War)」では奮闘したが、講和条約により東部カレリア(Karelia)地方の広大な土地を割譲した。

 世論調査によると、NATO加盟を望むフィンランド国民は、2月の侵攻開始以前の約3倍となる4分の3以上に達した。スウェーデン国民の加盟賛成派も劇的に増加したが、フィンランドよりは低い約50%となっている。(c)AFP/Elias HUUHTANEN