【5月17日 AFP】ジンバブエ政府は16日、首都ハラレで行われた欧州連合(EU)加盟国の大使との会合で、国内で保管している6億ドル(約776億円)相当の象牙の売却について、EUの支援を求めた。

 象牙取引は、ワシントン条約(CITES)により1989年以降禁止されている。

 ジンバブエ国立公園・野生動物保護庁のフルトン・マングワニャ(Fulton Mangwanya)長官は、国内に象牙16万3000トンとサイの角67トンが保管されており、象牙は推定6億ドルの価値があると説明。

「経済的価値を引き出したり、地域や同種の野生動物保護のために使ったりすることもできない在庫を管理するのが大きな負担になっている」と訴えた。

 売却が認められれば、売り上げは野生生物保護区周辺の地域社会のために役立てるとしている。

 当局によると、ジンバブエは最大5万5000頭のゾウを養えるが、国内の個体数はその2倍の10万頭に達している。

 ゾウの保護に成功した結果、人間との衝突が増加し、今年だけでも60人が亡くなった。

 一方、象牙の売却については、EUの大使らからはすぐには同意を得られなかった。

 大使らを代表し返答したニクリン・イェーガー(Niculin Jager)駐ジンバブエ・スイス大使は、「野生生物の保護と違法取引の防止は、取引に犯罪組織が関与していることから国際的な課題となっており、国際協力の強化が必要だ」と述べるにとどまった。(c)AFP