【5月17日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は16日、フィンランドとスウェーデンの北欧2か国による北大西洋条約機構(NATO)への加盟に反対すると明言し、両国がテロに対する明確な姿勢を示していないと改めて非難した。

 エルドアン氏は、「トルコに制裁を科す国のNATO加盟は承認しない」と言明した。スウェーデンは、トルコが隣国シリアで実施した軍事作戦をめぐり、2019年からトルコへの武器売却を停止している。

 フィンランドとスウェーデンは、ロシアのウクライナ侵攻を受け、NATO加盟を申請する意向を公式に表明。新規加盟には、トルコを含む加盟全30か国の承認が必要となる。しかしトルコは、同国や欧州連合(EU)、米国によりテロ組織に指定されているクルド人武装勢力などをかくまっているとして北欧2か国を非難しており、NATO加盟阻止も辞さない構えを見せてきた。

 半国営アナトリア(Anadolu)通信は同日、トルコ司法省筋の話として、フィンランドとスウェーデンが過去5年間でトルコからの身柄引き渡し要請33件に応じていないと報道。引き渡し要請の対象には、クルド人武装勢力との関連が疑われる人物や、2016年にエルドアン政権転覆を企てたとされる運動に所属する人物が含まれると伝えた。(c)AFP