【5月14日 時事通信社】ウクライナのゼレンスキー大統領は13日、動画メッセージで、ロシア軍から過去24時間で6集落を奪還し、これまでに1000以上の集落を解放したと明らかにした。米紙ニューヨーク・タイムズは、欧米などの当局者の情報として「ロシア軍は北東部ハリコフ周辺から撤退しているようだ」と報道。米シンクタンクの戦争研究所も「北部キーウ(キエフ)州からの撤退時に似ている」と戦況を分析した。

 ウクライナ側は、東部ドンバス地方で渡河を試みるロシアの戦車部隊を壊滅させており、大規模な反撃に出ている。南部オデッサ州沖合の黒海上にある要衝のズミイヌイ島奪還に向けて戦うとも表明し、双方の戦闘は激しさを増している。

 南東部マリウポリの地元高官によると、ウクライナ部隊が抵抗の拠点とする製鉄所にロシア軍が「突入を計画している」とされ、さらなる犠牲につながりかねないとして危機感が高まっている。ただ、侵攻を続けるロシア軍は指揮統制が取れておらず「士気低下も続いている」(米国防総省のカービー報道官)という見方もある。

 激戦の一方、外交による解決を模索する動きも出てきた。トルコの報道によると、同国大統領府のカルン報道官は「(ロシアのプーチン政権が)ウクライナだけでなく、欧米とも対話の席に着きたがっている」と指摘した。事実なら、苦戦するロシアが事態打開に向けて欧州の安全保障体制をめぐる交渉を行いたい考えとみられる。(c)時事通信社