【5月14日 AFP】ロシア国営電力会社インテルRAO(Inter RAO)は13日、フィンランドへの送電を14日から停止すると発表した。フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加盟する方針を示したことで、両国の緊張が高まっている。

 インテルRAOの系列会社で、北欧市場で電力を販売しているRAOノルディック(RAO Nordic)は「5月に販売された電力料金が支払われなかったため、ロシアから電力を購入する資金がなくなった」として、「5月14日から(フィンランドへの)電力輸入を停止せざるを得ない」と説明した。

「こうした事態は20年以上の取引の中で初めてだ」として、状況が直ちに改善され、取引が再開されることを望むとしている。

 一方、フィンランドの送配電事業会社フィングリッド(Fingrid)は、ロシアからの電力がなくても問題はないとの見方を示している。

 担当者はAFPに対し、「こうした事態への備えはある」として、スウェーデンとノルウェーからの電力輸入量を少し増やして対応すると語った。同担当者によると、フィンランドの電力消費量に占めるロシア産の割合は10%弱。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は、フィンランドの首脳がNATO加盟を支持したことを受け、「間違いなく」ロシアへの脅威と見なすと警告。ロシア外務省は「結果として生じる脅威に対処するため、軍事技術的な対抗措置を講じざるを得ない」と表明していた。(c)AFP