【5月14日 AFP】ブラジル・カシアスドスル(Caxias do Sul)で行われている聴覚障害者の五輪、第24回夏季デフリンピック(24th Summer Deaflympics)で、ウクライナの選手がメダルを量産している。

 今月1日に始まった大会も15日で閉幕を迎える中、ウクライナはこれまでに計116個のメダルを獲得。2位の米国に2倍以上の大差をつけ、メダル争いで独走している。

 ウクライナ・パラリンピック委員会のバレリー・スシケビッチ(Valeriy Sushkevych)会長は、AFPの取材に対し、「この大会で、われわれは自分たちの存在を世界に示している。われわれは本当に強く、独立した民主的な国だということを」と述べた。

 数千キロ離れた母国ではロシアによる攻撃が続いている中で、「ある兵士がわれわれに電話してきて、『戦いの合間にテレビで応援している。あなたたちがスポーツで見せる闘志は、自分たちにとって非常に大きい』と言ってくれた」と明かした。

 これまでも障害者スポーツで期待を上回る結果を残してきたウクライナ。昨年の東京パラリンピックではメダル順位で6位に入り、ロシアが軍事侵攻を開始した直後の3月に行われた北京冬季パラリンピックでは2位の成績を挙げた。

 東部ハルキウ(Kharkiv)州出身で、今大会ではオリエンテーリング男子で金メダル2個と銅メダル1個を獲得したドミトロ・レビン(Dmytro Levin)は、「獲得したメダルをウクライナにささげる。母国を代表することは非常に誇らしい」と手話で語った。

 バドミントン女子ダブルスで銅メダルを獲得した15歳のソフィア・チェルノモロワ(Sofia Chernomorova)は、「ウクライナのためにこのメダルを勝ち取れてうれしい。だけど、自分が本当にほしいのは平和」と語った。(c)AFP/Silvio AVILA, with Louis GENOT in Rio de Janeiro