【5月16日 AFP】イスラエル最高裁は、軍が1980年代初めに射撃演習場にすると宣言したヨルダン川西岸(West Bank)のマサーフェルヤッタ(Masafer Yatta)地域からパレスチナ人約1000人を立ち退かせることを認める判断を下した。

 マサーフェルヤッタはヨルダン川西岸のヘブロン(Hebron)の近くにある農村地帯で、面積は約3000ヘクタール。1967年の第3次中東戦争(Six-Day War)でイスラエルがヨルダンから奪って占領した。

 1999年に約200世帯が提訴して裁判が始まった。同地域の八つの村の住民らが、立ち退きを求める政府と20年以上も法廷闘争を続け、イスラエルで最も長く続いた裁判の一つとなった。

 イスラエルは1967年からヨルダン川西岸を占領している。住民らは、イスラエル軍が西岸に入るはるか前からマサーフェルヤッタで暮らしていたと主張したが、最高裁は、住民らはマサーフェルヤッタが演習場とされる前から永続的に居住していたことを証明できなかったとして訴えを退けた。

 住民側弁護団は、立ち退きをやめさせる法的手段が他にないか、検討を続けている。(c)AFP