【5月13日 Xinhua News】中国重慶市(Chongqing)の古書重点保護単位、華岩寺古籍善本修復センターでは、若い修復師らが巧みな技術で古書を「深い眠り」からよみがえらせている。

 清の康熙年間(1662~1722年)に建立された同寺の蔵経楼は古書5万冊余りを所蔵しており、最も古い古書の歴史は400年以上前にまでさかのぼる。仏典のほか、儒教や道教の経典、詩集・詞集、さらには医薬、算術、地理、歴史など、さまざまな分野の古書が多数含まれ、貴重な歴史文献資料となっている。

 華岩寺の方丈(住職)、道堅法師によると、同寺が所蔵する古書の約半分以上は虫食いやかび、劣化、欠損などのため修復が必要な状況にある。同寺は2010年、古書・書画救済プロジェクトを正式に始動した。

 古典文化をこよなく愛する宋陽(Song Yang)さん(28)は、同センターで最も若い古書修復師。昨年末、同寺が古書修復師を募集していることをネットで偶然知った宋さんは、喜んで重慶を訪れ、古書の整理・修復に関する訓練と仕事を受け始めた。

 宋さんにとって、修復の仕事は古書と向き合って交流する絶好の機会であり、歴史の海を漂う読書体験を通じて、常に中国の伝統文化の豊かさを感じることができるという。

 同センターでは現在、重慶市内の主要大学教員や北京、上海、広州(Guangzhou)出身の事務員、他地域から来たボランティアなど、古書の整理・修復作業に参加する人が次第に増えている。(c)Xinhua News/AFPBB News