【5月13日 AFP】仏パリのシャンゼリゼ通り(Champs-Elysees)にある有名キャバレー「リド(Lido)」が、その歴史に幕を下ろすことなった。

 リドは第2次世界大戦(World War II)終戦直後に創業。羽根飾りの衣装にハイヒールで、脚を高く上げるダンスで人気を博した。

 時代に合わせてショーを近代化する試みもなされたが、ここ数年は業績が低迷。2021年末に仏ホテル大手アコー(Accor)に買収された。

 複数の情報筋によると、アコーは12日、「ブルーベルガールズ(Bluebell girls)」と呼ばれるダンサーを含む従業員184人中、157人を解雇すると通達した。

 労働組合の代表の一人は匿名を条件に、アコーは一等地にあるリドを音楽イベント用の劇場に改修する計画だと語った。

 キャバレーショーは、都市文化が勃興した19世紀末の「ベル・エポック(Belle Epoque)」時代に誕生。老舗キャバレー「ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)」は、2001年にヒットした同名の映画により広く知られたこともあり、今も業績は堅調だ。

 リドは年中無休で、入場料は1人145ユーロ(約1万9500円)から。収容人数は2000人で、毎夜2回、公演が行われた。

 しかし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響で客の大半を占めていた外国人が減り、大きな打撃を受けた。

 動物福祉関連の法改正によりショーで珍しい動物を使うことができなくなったほか、女性の肌を見せるショーに対する批判もあり、時代遅れになりつつあるとの見方も強まっていた。(c)AFP