【5月13日 AFP】男子ゴルフ、元世界ランキング1位のグレッグ・ノーマン(Greg Norman)氏は11日、サウジアラビアの人権問題や同国人ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏殺害事件をめぐり、「誰しも過ちを犯したことがある」と発言し、自身が率いる新リーグのリブゴルフ・インビテーショナル(LIV Golf Invitational)を擁護した。

 ノーマン氏は高額賞金が設定されているリブゴルフ・インビテーショナルの最高経営責任者(CEO)を務めている。来月英国で開幕する同リーグはサウジアラビアが巨額の資金を援助しており、同国の人権問題などから目をそむけさせる「スポーツウオッシング」だとの批判が出ている。

 カショギ氏が2018年にトルコ・イスタンブールのサウジアラビア領事館で殺され、遺体をバラバラにされた事件は、国際社会の怒りを呼んだ。米情報機関は、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)が同氏の拘束もしくは殺害を「承認した」と結論づけたが、サウジ政府は皇太子の関与を否定し、「ならず者」による犯行だと主張している。

 ロンドン近郊で開かれたリーグの記者会見で、サウジアラビアの支援について記者から質問攻めにされたノーマン氏は、「サウジアラビアやカショギ氏、人権問題のことについて議論するのはいいと思うが、同国が文化を変えるために取り組んでいる良い面についても語らなくてはならない」と発言。

「われわれは誰しも過ちを犯したことがある。それらの過ちからどのように修正して前に進むことができるかを学びたいものだ」とし、「MBS(ムハンマド・ビン・サルマン皇太子)と個人的に話したことはないし、会ったこともないが、同時にこの件に関するサウジ政府の声明やコメントも読んでいる。彼らは前進を望んでいる」とコメントした。

 この発言について、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)」は12日、「間違っており、深刻な見当違いである」と批判。同団体英国支部の責任者は、新リーグについて「スポーツウオッシング」の新たな例であるとの認識を示した。(c)AFP/John WEAVER