【5月13日 AFP】ウクライナ東部ハルキウ(Kharkiv)州の村で3月下旬、民家がロシア軍の戦車により砲撃を受け、複数の民間人が死亡していたことが12日、ウクライナ当局の発表と、AFPが取材した目撃者の証言から明らかになった。

 砲撃は3月27日、州都ハルキウ近郊のステパンキ(Stepanki)で起きた。ウクライナ検察庁はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)への投稿で、村を占領したロシア軍が戦車で民家を砲撃し、男性2人と女性1人が死亡したと説明した。

 一方、ハルキウ警察や目撃者は、4人が死亡、2人が負傷したとしている。人数の食い違いの理由は不明。検察当局によると、戦争犯罪と計画的殺人の疑いで捜査が開始された。

 AFPの取材に応じた目撃者によれば、ロシア軍の戦車が近づいてきたとき、民家に住む6人は中庭でお茶を飲んでいた。砲撃で娘を亡くしたオリガ・カルペンコ(Olga Karpenko)さん(52)は、隠れるために家の中に入ろうとした6人を戦車が砲撃したと証言。「娘は後頭部に銃弾の破片を受けて亡くなった」と語った。

 地元住民のデニスさん(40)は、戦車の砲身が自分の方を向くのを見たという。誰かが「家の中に入ろう」と言い、自身が最後に家に入った直後に戦車が砲撃。「すべてが崩れ、何も見えなくなった。急いで外に出て、家の裏に逃げた」とデニスさんは語った。

 隣人たちは死者を家の裏庭に埋葬。村は後にウクライナ政府の支配下に戻り、遺体は今月11日に掘り起こされた。

 検察当局は、窓が吹き飛び、前面が一部破壊された桃色の2階建ての建物の写真を公開。建物の付近には、木の枝で作った十字架が3本立てられた墓が写っている。(c)AFP