【5月13日 AFP】国連人権理事会(UNHRC)は12日、ウクライナ情勢をめぐる特別会合を開き、同国でロシア軍が深刻な人権侵害を行った疑いについて調査を開始する決議案を圧倒的賛成多数で採択した

 UNHRCは、超法規的処刑、民間人の犠牲、拷問、児童虐待を懸念し、加害者への責任追求も視野に入れた調査の開始を決めた。47理事国のうち、33か国が決議案に賛成。中国とエリトリアの2か国が反対し、インド、パキスタン、キューバなど12か国は棄権した。理事国資格を停止されたロシアは、オブザーバーとしての立場で見解を求められたが、特別会合は政治的な演出だとして出席を拒否した。

 ウクライナの首都キーウから演説したエミネ・ジャパロワ(Emine Dzhaparova)外務次官は、母親の目の前で性的暴行を受けて心に傷を負った11歳の少年の事例を報告。ロシア軍は「純然たる悪事」を行っており、ロシアは「過去数十年の欧州大陸で最も陰惨な人権侵害」を犯していると述べた。

 UNHRCは3月4日、ロシアの人権侵害疑惑について、最高レベルの調査機関である調査委員会(COI)の設置を決議。今回採択された決議では、責任の追求も視野に、2月末と3月にキーウ、北部チェルニヒウ(Chernihiv)、東部ハルキウ(Kharkiv)、北東部スムイ(Sumy)の4州で起きた事案についての調査を優先するよう、COIに求めた。(c)AFP