■アバターへの誹謗(ひぼう)中傷

 Vチューバーが「中の人」を明らかにする例は少ないが、誰が演じていようと自分が好きなのは中の人ではなく、大神ミオなのだとカズミさんは話す。これは多くの他のファンも同様だ。

 だが、バーチャルとリアルの境界線が曖昧になる場合もある。

 日本の裁判所は今年、アバターがネット上で誹謗中傷を受けたとするVチューバーの訴えを認める判決を下した。

 訴えを起こしたVチューバーの代理人、小沢一仁(Kazuhito Ozawa)弁護士は、Vチューバーは性別も年齢も体形も超えられるが、重要なのは、そこには現実の世界で発言、書き込みを読んでいる人がいることだと指摘する。

 プロの声優である飯塚さんは、4年間、琴吹ゆめとして活動を続けてきた後に正体を明かすのは不安だったと話す。

「琴吹ゆめちゃんを応援してくださっている人からしたら、こんなにお目々がキラキラで、おなかもすごくかわいくて。かわいいキャラクターだと思って応援してくださった人からしたら、やっぱり『(中略)リアルは知りたくなかったよ』って思われるかもしれない」

 これまでのところ、ファンの反応は上々だという。(c)AFP/Tomohiro OSAKI