【5月16日 People’s Daily】先日、中国は「中共中央(中国共産党中央委員会)・国務院の全国統一大市場の建設加速に関する意見」を発表した。「意見」は、全国統一の市場制度・ルール構築の加速、地方保護と市場分割の打破、経済循環の「詰まり」となる制約ポイントの除去、商品・要素・資源のより広範囲のスムーズな流通促進、高効率での規範化、公平な競争、十分に開放された全国統一大市場の建設の加速を提案している。

「意見」は、全国統一大市場建設の以下の主な目標を明確にした。国内市場の高効率でスムーズな流通と大規模な拡大を持続的に推進し、安定、公平かつ透明で、予測可能なビジネス環境の構築を加速し、市場取引のコストをさらに引き下げ、科学技術イノベーションと産業の高度化を促進し、国際競争・国際協力に参加する上での新たな優位性を育成する。

 全国統一大市場はどのように構築するのか?「意見」は、統一大市場建設の推進の基本ルートを明確に示している。

 先にルールを構築し、市場開発の土台をつくる。「意見」は、財産権保護、市場参入、公正な競争、社会的信用という4項目が統一された「四統一」基本制度の構築、各種所有制経済の財産権の法律による平等の保護の制度体系の改善、「全国一枚リスト」管理モデルの厳格な実行、各種市場関係者への平等かつ同等な扱い、フルカバーの信用情報ネットワークの形成を提案している。

 要素や資源を流動化させ、経済に活力を与える。「意見」は、これまでの改革試行に基づき、土地、労働力、資本、技術、データなど5つの要素による統一市場建設の方向性を掲げると同時に、エネルギーとエコという2つの資源市場の構築に期待を寄せている。要素と資源の流通の加速は、乗数効果をもたらし、経済発展に新たなエネルギーを注入するだろう。

 標準を継続的に改善させ、より高品質な商品・サービスを提供する。「意見」は、市場建設における品質・標準システムの役割を高度に重視し、体系的な制度設計を提案している。品質マネジメントシステムを向上させるための活動を行うことで、産業チェーン全体の品質マネジメントを効果的に強化することができる。重点分野の主要消費財の品質標準を国際標準に合わせ、国内外向け製品の「同線同標同質(同一生産ライン・同一基準・同一品質)」を推進することで、内外循環のドッキングを強力に促進することができる。標準と計量システムの構築において、「意見」は、国家標準と業界標準の統合と合理化を強調し、これに基づき、新興分野の標準の構築を模索するための方向性を明確にした。

 監督管理をより科学的にし、安定性と予測可能性を高める。「意見」は、市場監督管理の標準化・規範化の建設の強化、法執行実務の規範化、法執行の基準とプロセスの統一、自由裁量権の削減は、規制効果の着実な向上、公平・公正な法執行の推進につながることを強調している。新業態・新モデルに対し、「意見」は、オンラインとオフラインの一体化した監督管理の推進を打ち出すと同時に、監督管理の規範の堅持と発展の促進をともに重視し、法規と基準の不備を適時に補完する必要性を強調している。

 全国統一大市場の建設を加速させ、より多くの市場需要を創出し、より大きな消費潜在力を解放し、より広い流通空間を拡大し、より透明なビジネス環境を作り出すことで、市場の期待を安定させ、経済の持続的で健全な発展を推進し、中国経済をより軽やかで活力あるものにする。(c)People’s Daily/AFPBB News