【5月12日 AFP】ウクライナのイリーナ・ベネディクトワ(Iryna Venediktova)検事総長は11日、非武装の民間人を殺害したとして、ロシア軍兵士1人を訴追したと発表した。ロシアのウクライナ侵攻に関連する戦争犯罪をめぐり訴追される初めての事案となる。

 検察当局の発表によると、訴追されたのはワディム・シシマリン(Vadim Shishimarin)被告(21)。ウクライナ北部で車を強奪したところを非武装の民間人男性(62)に目撃され、通報されるのを防ぐため車内から自動小銃で男性を撃ったとされる。

 シシマリン被告は、所属部隊が2月28日、ウクライナ北部で攻撃を受けた後、他の4人の兵士と合流し、チュパキウカ(Chupakhivka)村の郊外で車を盗んだ。

 殺害された男性は自宅付近の道路脇を自転車で走行していた。検察は「男性に通報されないよう、兵士の一人が被告に殺害を命じた」としている。

 シシマリン被告は現在勾留中で、戦争犯罪と計画的殺人の罪で終身刑に処される可能性がある。

 検察は被告の写真を公開したが、身柄拘束の経緯や、被告と一緒に現場にいた他の兵士の動向については明らかにしなかった。(c)AFP