【5月12日 AFP】中国・香港で、中国政府に批判的な陳日君(ジョセフ・ゼン、Joseph Zen)枢機卿(90)やポップ歌手の何韻詩(デニス・ホー、Denise Ho)氏を含む民主派4人が、香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕されたことが11日、明らかになった。

 米政府は、陳氏らの即時解放を要求。ローマ教皇庁(バチカン)も懸念を表明し、緊密に状況を注視しているとした。地元メディアによると、陳氏は同日夜に保釈され、記者団に手を振りながら市内の警察署を去った。何氏も同じく保釈された。

 警察は、外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた疑いで、45~90歳の男2人、女2人を逮捕したと発表。全員が保釈されるが、旅券は没収されるとした。4人は外国あるいは国外組織に対し、香港に対する制裁を科すよう要請した疑いが持たれている。

 陳氏と何氏に加え、弁護士の呉靄儀(マーガレット・ン、Margaret Ng)氏、学者の許宝強(Hui Po-keung)氏も逮捕された。4人はいずれも、2019年以降に香港で行われた大規模な民主化デモで、当局に拘束された参加者の弁護士費用や医療費の支払いを支援する「612人道支援基金(612 Humanitarian Relief Fund)」の運営に関与。同基金は昨年、香港警察が寄付者や受益者などの情報を引き渡すよう要求したことを受け、解散していた。(c)AFP