【5月11日 Xinhua News】中国税関総署が9日発表した中国の1~4月の貿易額は前年同期比7・9%増の12兆5800億元(1元=約19円)だった。4月の貿易額は前年同月比0・1%増の3兆1600億元で、貿易額の伸びが一段と鈍化し、下押し圧力が浮き彫りになっている。

 対外経済貿易大学国家対外開放研究院の荘芮(Zhuang Rui)教授は「かつてないほど厳しい情勢の下、中国貿易の伸び率が鈍化したことは十分理解できる」とし、年初は比較対象となる前年のデータが高かったことが低下要因となったほか、3月からは新型コロナウイルスが国内で散発的に流行し、特に長江デルタや珠江デルタなどの主要貿易エリアが打撃を受けたと指摘。さらにロシアとウクライナの紛争など予想外の変化も影響し、エネルギーなどのコモディティー(商品)価格が高騰、不確定要因が増えたことで貿易が圧迫され、伸び率が減速したとの認識を示した。

 荘氏は今後の貿易情勢について、貿易の基盤安定を保つには、規模や伸び率のほか、質と収益も注視する必要があると指摘。伸び率が低下したものの中国の貿易には次の三つの注目点もあったとの認識を示した。

 ①貿易相手の多角化。地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効により、東南アジア諸国連合(ASEAN)は1~4月、中国にとって最大の貿易相手の座を維持した。また中国から欧州連合(EU)や米国、韓国などの主要貿易相手に向けた輸出も依然として2桁の伸びを維持しているほか、「一帯一路(Belt and Road)」沿線諸国との貿易も緊密で、伸び率は15・4%に上った。

 ②民間企業が活躍。発展を取り巻く複雑で厳しい環境の下、民間企業は力を発揮して、比較的高い成長を維持し、引き続き貿易の主要な担い手となった。1~4月の民間企業の貿易額は11・0%増の6兆1千億元で、中国の貿易全体に占める割合は48・5%となり、前年同期から1・4ポイント上昇した。

 ③貿易構造の最適化。中国貿易の質の向上と高度化に重要な役割を果たすハイテク製品の輸出が好調な増勢を維持し、1~4月の機械・電気製品輸出額は6・7%増の4兆400億元で輸出全体の57・9%を占めた。(c)Xinhua News/AFPBB News