【5月11日 AFP】約70か国が参加するシリア支援国会合がベルギーの首都ブリュッセルで10日まで開かれ、シリア市民や難民に対する総額67億ドル(約8720億円)の支援を表明した。

 昨年の支援額は64億ドル(約8330億円)だった。支援金はシリア政府には渡されず、市民支援や、ヨルダンやレバノン、トルコ、エジプト、イラクなどに逃れた難民の支援に充てられる。

 会合には国連(UN)機関など国際機関も参加。欧州連合(EU)のバールヘイ・オリベール(Oliver Varhelyi)委員(近隣国政策・拡大交渉担当)は「国際社会や経済は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に加え、ウクライナでの戦争の影響にも対処している」としながら、「これまで以上の行動を取る準備があるという強力なメッセージをシリアとその周辺国に送っている」と強調した。

 支援機関は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で世界の食糧供給が打撃を受けており、シリアでの食糧不足も深刻化する恐れがあると警告している。

 国連は、シリア危機に伴う人道支援に2022年は105億ドル(約1兆3700億円)が必要になるとしている。

 会合にはロシアは招待されなかった。(c)AFP