【5月11日 Xinhua News】中国工業・情報化部直属のシンクタンク、中国情報通信研究院(CAICT)がこのほどまとめた第5世代移動通信システム(5G)通信速度の第1四半期(1~3月)実測データによると、中国の5G通信の下り速度は第4世代移動通信システム(4G)の10倍以上だった。

 5Gユーザーの平均通信速度は、下りが304・8メガビット/秒(Mbps)、上りが49・6Mbps、4Gの平均通信速度は下りが27・8Mbps、上りが2・9Mbpsとなり、Wi-Fi利用時は下りが179・7Mbps、上りが36・3Mbpsだった。

 このデータは、CAICTが国内の5G通信速度の実態反映を目的として、5Gクラウドテストプラットフォームの通信速度の実測データを整理・分析したもの。5Gクラウドテストプラットフォームは、アプリとクラウドプラットフォームを組み合わせたモデルを採用し、5Gクラウドテストアプリを使ってユーザーが自発的に通信速度テストを行った。テストの時間や場所、無線環境には不確実性があることから、テスト結果は、対象アプリのユーザーが実際に体感した通信速度のみを反映している。

 地域別に見ると、黒竜江省、雲南省、内モンゴル自治区、海南省、江蘇省、上海市、新疆ウイグル自治区、浙江省、福建省、山東省などで5G通信の下りが高速で、最大358・8Mbpsだった。また、雲南省、内モンゴル自治区、山東省、海南省、黒竜江省、甘粛省、上海市、湖南省、新疆ウイグル自治区、河南省などで上りが高速で、最大69・8Mbpsだった。

 重点都市(31の省都・自治区首府・直轄市と五つの計画単列市)では、ハルビン(黒竜江省)、青島(山東省)、昆明(雲南省)、寧波(浙江省)、石家荘(河北省)、ウルムチ(新疆ウイグル自治区)、海口(海南省)、瀋陽(遼寧省)、済南(山東省)、上海の各市で5G通信の下りが高速で、最大389・2Mbpsだった。また、済南、昆明、ハルビン、鄭州、海口、貴陽(貴州省)、広州(広東省)、大連(遼寧省)、ウルムチ、上海の各市では上りが高速で、最大76・7Mbpsだった。

 中国では、スタンドアローン(SA)方式の5G通信網がほぼ全域をカバーしており、5G対応スマートフォンでネットに接続すると、デフォルトでSA方式の5G通信が利用できる。SA方式への接続端末数は、5Gスマホが76・8%を占め、ノンスタンドアローン(NSA)方式は23・2%を占める。HONOR(オナー)、サムスン、OPPO(オッポ)、ファーウェイ、Realme(リアルミー)、iPhoneなどの主流端末では、SA方式の割合がいずれも90%を超えた。(c)Xinhua News/AFPBB News