【5月11日 AFP】スリランカ国防省は10日、軍に対し、公共物を略奪したり人命に危害を加えたりした人物を発見次第銃撃するよう命じた。同国では前日、反政府デモが暴動に発展。与党政治家の邸宅が襲撃されていた。

 1948年の独立以降で最悪の経済危機に陥っているスリランカでは、ゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領の辞任を求めて1か月にわたり平和的なデモが続いていたが、主要都市コロンボ(Colombo)では9日、政府支持者のグループがデモ隊を襲撃する事態が発生。デモ隊は報復として与党政治家の家数十棟に放火し、首相公邸に突入を試みた。

 10日の警察発表によると、衝突で警察官2人を含む8人が死亡。家屋65棟が破壊され、41棟が燃やされた。負傷者は220人以上に上り、マヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)首相が辞任を表明した。

 暴動を受け、政府は陸海空軍から数万人規模の兵士を動員し、コロンボなどの市内巡回に当たらせている。同国は6日から非常事態が宣言され、軍には容疑者を逮捕・勾留する強い権限が与えられている。政府はまた、9日から2日間の外出禁止令を出した。(c)AFP