【5月10日 AFP】ロシアの首都モスクワで9日、第2次世界大戦(World War II)中のナチス・ドイツ(Nazi)との戦いの犠牲者を悼む「不滅の連隊」が開催された。参加者の多くは、ロシアがウクライナで再びナチズムと戦っていると信じている。

 ロシアでは毎年、5月9日が旧ソ連の対独戦勝記念日となっており、各地で「不滅の連隊」が行われる。

 モスクワの赤の広場(Red Square)で行われた行進には、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が参加。父親の写真を手に行進を先導した。

 プーチン氏は2月24日、ウクライナの「非ナチ化」を掲げ、同国に侵攻した。

 行進に参加したタイーシャ・チェプリナ(Taisiya Chepurina)さん(81)は、スターリングラードの戦い(Battle of Stalingrad)に参加した夫のセピア色の写真を持っていた。

 夫を亡くしたチェプリナさんは、ウクライナのナチスがロシア兵を撃つなら、ロシアの軍事作戦は正当化されると主張する。

「プーチンはうまく政治をやっている。私たちの兵士が死なないよう、流血がなるべくないよう配慮している。プーチンは素晴らしい」

 行進を見学する沿道の老若男女からは、時折、「ウラー(万歳)」や「ロシア」という掛け声が上がった。

 同じく行進に参加した経済学者のアナスタシア・リビナ(Anastasia Rybina)さん(37)は、「77年後にファシストやナチスがよみがえり、ロシア人を惨殺するなんて誰も想像しなかった」とAFPに語った。

「歴史は繰り返す」 (c)AFP/Andrea PALASCIANO