【5月10日 AFP】セルビアやブルガリアなど世界各国で9日、第2次世界大戦(World War II)での旧ソ連の対独戦勝記念日に合わせ式典が行われた。

 セルビアの首都ベオグラードでは、第2次大戦の犠牲者を悼むイベント「不滅の連隊」が開かれた。約200人が親族の写真を持ち、中心部を行進した。周りからは時折、歓声が上がった。

 セルビアは欧州連合(EU)への加盟を目指しているが、ロシアとの関係も深く、ウクライナ侵攻を受けての対ロ制裁の発動を拒否している。

 先頭を歩いていた男性は、ウクライナ侵攻の象徴となっている「Z」の巨大オブジェを携えていた。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の等身大パネルを持つ人や、ロシア国旗やソ連国旗を振る人もいた。

 プーチン大統領はセルビアを欧州への足掛かりと見なしており、セルビア人の多くもロシア政府に好意的だ。セルビアではウクライナ侵攻後、親ロシア派集会が開かれている。

 隣国ブルガリアでも複数の都市で「不滅の連隊」が行われた。首都ソフィアでは200人が参加した。

 会場ではウクライナ支持集会も行われ、「不滅の連隊」の参加者との間で小競り合いが発生。互いを「ファシスト」と呼び合う一幕もあった。この騒動で警官1人が負傷した。

 このほか、中央アジアのキルギスやロシアが併合したクリミア(Crimea)半島でも戦勝記念日の式典が実施された。(c)AFP