【5月10日 AFP】欧州連合(EU)のシャルル・ミシェル(Charles Michel)大統領は9日、ウクライナ南部の港湾都市オデーサ(Odessa)を電撃訪問し、ロシアがウクライナの自由を「処刑」することはできないと述べた。ウクライナ首相との会談中にミサイル攻撃があり、避難を強いられる一幕もあった。

 ミシェル氏はツイッター(Twitter)に投稿した動画で、「ロシア政府は、あなた方の自由と民主主義の精神を処刑したがっている」と述べた上で、「私はロシアが絶対に成功しないと確信している」と明言。ウクライナが「近代的で民主的な国を建設」できるよう支援すると約束した。

 EU関係筋によると、ウクライナのデニス・シュミハリ(Denys Shmygal)首相との会談中にミサイル攻撃があったため、ミシェル氏は避難を余儀なくされた。同氏の側近は、会談は避難所で続行されたと説明している。

 ビデオ会議で会談に参加したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、第2次世界大戦(World War II)での旧ソ連の対ナチス・ドイツ(Nazi)戦勝記念日に同国を訪問したミシェル氏に謝意を表明。「残念ながらナチズムが出現し復活しつつある中、EUが本日、最高レベルでウクライナを支援していることは非常に喜ばしい」と述べた。

 ウクライナ当局によると、ミシェル氏は今回の訪問で、同国の港の封鎖解除と穀物輸出の再開に向けた「即時措置」について協議した。黒海(Black Sea)に面するオデーサ港がロシアにより封鎖されたことで、ウクライナの穀物輸出業者は貨物輸送の代替手段を探す必要に迫られている。貨物は列車やトラックなどに積み込まれ、ルーマニアに送られており、同国は現在、ウクライナ産農作物の海上輸出の重要な拠点となっている。(c)AFP