【5月9日 CGTN Japanese】中国最大の無人区である青海省(Qinghai)の可可西里(ココシリ、Hoh Xil)では、チベットカモシカの年に1度の大規模な移動が始まりました。

 第1陣の137頭のメスのチベットカモシカは5日、青海省とチベット自治区(Tibet Autonomous Region)を結ぶ鉄道や道路の動物通路(野生動物が安全、自由に道路と鉄道を通り抜けるために設置された専用通路)を通じて、チベットカモシカの「産室」と呼ばれる卓乃湖に向かって出発しました。

 チベットカモシカは中国の国家一級保護動物で、主に青海省の可可西里、チベット自治区の羌塘(チャンタン)、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uygur Autonomous Region)の阿爾金山(アルチン山)などの自然保護区に生息しています。メスは毎年11月から12月にかけて交尾した後、翌年5月から可可西里の卓乃湖、太陽湖などの「産室」に向かい、7月から8月にかけて赤ちゃんを産んだ後、続々と元の生息地に戻ってオスと合流します。

 ここ数年、中国は絶えず生態保護に力を入れ、チベットカモシカの繁殖や移動を守ってきました。毎年5月、可可西里沿線の保護ステーションでは作業員や車両を増やし、チベットカモシカの出産や移動時に交通規制を行い、群れからはぐれたチベットカモシカの救助に当たっています。

 保護に力を入れてから、可可西里のチベットカモシカの個体数は1980年代初めの2万頭未満から現在の7万頭前後に増加したということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News