【5月13日 People’s Daily】「今年の下半期まで注文が殺到しており、フル生産・フル販売となっている。昨年は約400万台の自転車が輸出され、わが社の総販売台数の30%を占めた」。上海鳳凰進出口有限公司(フェニックス、PHOENIX)の事業総責任者の盛凱(Sheng Kai)氏は、「2021年にフェニックス自転車の輸出は、新たなスタートラインに立ち、ハイエンド製品は依然として市場で非常に人気があり、受注が急速に伸び続けている」と述べた。

 この老舗の自転車メーカーの輸出は飛躍を迎え、特に先進国市場での業績が好調だ。「2020年の売上高の31億元(約607億円)に対し、昨年は50億元(約979億円)に達した」。天津金輪自転車集団(ゴールデンホイールグループ、Golden Wheel Group)の楊玉峰(Yang Yufeng)総経理も業績を示してくれた。年間、電動自転車25万台、自転車200万台を生産し、生産能力のほぼすべてを輸出に充て、同社の販売網は世界120以上の国と地域をカバーしている。

 フェニックスとゴールデンホイールの目覚ましい業績は、決して個別的な現象ではない。中国の自転車輸出は過去2年間、2桁の伸び率で好調を維持している。税関のデータによると、2021年の中国の自転車輸出台数は前年同期比14.9%増の6926万台、輸出額は前年同期比40.2%増の51億800万ドル(約6670億円)で、数量と価格の両方の伸びを達成したという。

 業界筋によると、コロナ禍を背景に、安全性と健康上の理由から、徒歩の代わりの移動やフィットネスで自転車を選択する人々が次第に増え、一部の国では自転車手当などの措置が相次いで発表され、自転車の需要が急増し、欧米の一部の国では商品の供給が一時不足したという。

「海外の自転車市場、特にハイエンド自転車市場は、ブランド認知度、生産製造能力、販売チャネル、顧客資源に対する要求が高い。これらの資質を同時に備えた自転車企業のみが海外市場の壁を破り、成功を収めることができる」。盛凱氏は、「フェニックスは2020年に、天津の自転車輸出企業2社を買収し、輸出規模を倍にした」と語った。

 また、自転車の輸出額の伸び率は輸出量の伸び率をはるかに上回っている。これは自転車の輸出価格が高くなっていることを意味する。そのうち、高付加価値の競輪用自転車(レーサー)、マウンテンバイク、電動アシスト自転車の輸出は比較的速く伸びている。

 輸出価格の上昇の背景には、中国産自転車を産業チェーンのハイエンド・ミドルレンジまで発展させようという努力がある。そのためには、鋭い市場の洞察力と独自の研究開発力の両方が必要だ。

 現在、欧州の自転車市場では、モーターとリチウム電池を搭載させた電動アシスト自転車が走行アシストの主流となっている。市場の変化に対応するため、フェニックスは2020年に高規格のリチウム電池研究開発・検査センターを立ち上げ、リチウム電池アシスト製品に焦点を当て、製品ラインを継続的に拡大・改良し、現在、山岳、都市、特殊機能の3シリーズの電気アシスト自転車の生産ラインが形成されている。

 トランスミッション(変速機)は自転車の「心臓」であり、最も収益性の高い部分であるため、既存のメーカーは市場での地位を守るために厳密な特許障壁を築いてきた。ブループリント社(L-TWOO)は、日米メーカーとの特許紛争を回避するために、3年以上かけて独自の技術ルートを開拓した。現在、同社は100以上の特許を持ち、世界第3位にランクされ、200種類以上のトランスミッションを開発し、毎月20万セット以上を出荷し、世界中で200以上の顧客企業にサービスを提供している。(c)People’s Daily/AFPBB News