【5月8日 AFP】米国競馬のG1レース、第148回ケンタッキーダービー(148th Kentucky Derby、3歳、ダート約2000メートル)が7日、米ケンタッキー州ルイビル(Louisville)のチャーチルダウンズ競馬場(Churchill Downs)で開催され、直前で出走が決まった単勝80倍の穴馬リッチストライク(Rich Strike)が、内側から差し切って衝撃的な優勝を飾った。

 エリック・リード(Eric Reed)厩舎(きゅうしゃ)所属で、ソニー・レオン(Sonny Leon)騎手が騎乗するリッチストライクは、イシリアルロード(Ethereal Road)が6日に出走を取り消したことで空いた枠に滑り込み、馬主のリチャード・ドーソン(Richard Dawson)氏が「期限30秒前」と表現したタイミングで登録を済ませた。

 そして20番手のゲートから出たレースでは、後方で最終コーナーをまわりながら、レオン騎手が粘り強く馬群の中を導くと、最後は前方で競り合っていた1番人気のエピセンター(Epicenter)とゼンダン(Zandon)を内らち沿いから抜き去って優勝した。この優勝は、91倍で1913年大会を制したドーンレイル(Donerail)以降では最高倍率となった。

 ジョエル・ロサリオ(Joel Rosario)騎手騎乗のエピセンターが2着、フラビアン・プラ(Flavien Prat)騎手騎乗のゼンダンが3着に入った。

 これまで昨年9月の1勝しか挙げることができていなかったリッチストライクだが、オーナーは、チャンスがないと思っていたら登録はしていなかったと話している。

「エリックも私も、勝てないと思うレースには絶対に出さない」

「可能性はあると思っていたし、この馬はいつも長く走るほどよくなる。きょうも1マイルと4分の1を走って、最後まで脚が残っていた」

 1930年に現在のようなゲートが導入されて以降、大外枠からケンタッキーダービーを制したのは、2008年のビッグブラウン(Big Brown)に続いてリッチストライクがわずか2頭目となった。(c)AFP