【5月7日 AFP】ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)で6日、ロシア軍と戦うウクライナ側部隊の市内最後の拠点となっているアゾフスターリ(Azovstal)製鉄所から、民間人50人が避難した。ウクライナのイリーナ・ベレシチューク(Iryna Vereshchuk)副首相が発表した。ただ現地では再び攻撃が行われたとの情報もあり、停戦の行方は不透明となっている。

 製鉄所には旧ソ連時代に建設されたトンネルや地下壕(ごう)があり、最後の抵抗を続けるウクライナ部隊の他、子どもを含む民間人約200人がいるとみられている。ベレシチューク副首相は、翌7日朝にも民間人退避を続行するとした。

 ロシアは、製鉄所で5日からの3日間、日中に停戦を実施すると発表していた。しかしウクライナ軍は、ロシア軍が地上と上空からの攻撃を続けていると非難。製鉄所の防衛を指揮するウクライナ軍の精鋭部隊「アゾフ連隊(Azov Regiment)」は、車で人々を避難させようとした際にロシア軍が発砲し、ウクライナ兵1人が死亡、6人が負傷したと説明した。

 ロシアは、第2次世界大戦(World War II)の対ナチス・ドイツ(Nazi)戦勝記念日を9日に控えており、それまでにマリウポリを完全制圧できれば象徴的な勝利となる。ウクライナ当局はロシアが同日にマリウポリで軍事パレードを計画しているとの見解を示しているが、ロシア大統領府は6日、同市で戦勝記念日の祝賀は計画していないとした。(c)AFP/Joshua Melvin, with David Stout in Kyiv