【5月9日 People’s Daily】北京冬季五輪の開会式では、1万1000平方メートルの巨大LEDグラウンドスクリーンと、グラウンドに設置されたLED縦型スクリーンが連動した拡張演出で、デジタル科学技術と美的感覚の創造的融合を果たし、人々の前に幻想的な雪と氷の世界を描き出した。近年、テレビやタブレット、スマートフォン、都市のビル外壁に取り付けられたハイビジョンスクリーンなどの設備が増え、スクリーンやスクリーン技術はますます私たちの日常生活から切っても切れないものになった。同時に、8Kの超ハイビジョン・狭額縁設計・フルスクリーン・折り畳みスクリーン・透明スクリーンなどの製品や5G通信・ハイビジョン動画やAI、バーチャルリアリティーなどの新技術が融合し、新型のスクリーン産業が加速し、ハイエンド化が推進されている。

 1枚のスクリーンには巨大な市場が秘められている。ここ数十年、中国のスクリーン技術は変化が激しく、スクリーン自体もより軽く、早く、省エネで解像度が高いほうに発展していった。機能はますます豊富になり、形状や境界に制限がないスクリーンやスクリーン映写産業も絶え間なくアップグレードし転換し続け、デジタル生活に花を添え続けている。

 新型スクリーンと集積回路はハイエンドな製造業の中で重要な戦略的地位を占めている。過去の長い時間、中国のスクリーン業界は決め手に欠け、大型スクリーン技術は海外企業に独占されていた。中国のテレビ生産工場には価格決定権がなく、高い定価を受け入れるしかなく、テレビの価格が下がらなくなった。今は、中国の液晶スクリーン技術は世界の最先端にあり、液晶テレビ一台の価格は1万元(約19万円)以上から数千元に下がった。背景には、無数の技術者によって注ぎ込まれた知恵と心血がある。

 追い付き追い越せと走り続け、中国のスクリーン産業が飛躍したことと、日に日に充実し厚みを増していく産業の累積や、常に改善を続ける産業チェーン・生態学的連鎖は切っても切れない関係にある。データによれば、2020年の中国における新型スクリーン産業の直接営業収入は4460億元(約8兆7300万円)に達し、産業の規模は世界一に躍り出た。

 デジタル時代にあって、新型スクリーン産業は情報消費のアップグレードやビッグデータ経済、電子情報産業の発展などの方面において重要性が突出している。AI・物のインターネット(IoT)・クラウドコンピューティングなど、多くの技術開拓において応用する余地があり、より多くのチャンスをもたらしてくれるものだ。同時にコア技術の供給不足や、キーになる材料を輸入に頼っていることなど、依然として業界のバリューチェーンのなかで取り組むべき課題もある。このため中国は現在、大中小企業の融合や刷新を促し、産業チェーンの流れをスムーズにし、キーとなる材料の国産化率を向上させ、新型スクリーン産業の質の高い発展を推し進めている。(c)People’s Daily/AFPBB News