【5月5日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は4日、ウクライナで多数のロシア軍将官が殺害されたのは、米情報機関の支援が背後にあると報じた。

 同紙は複数の米高官の話として、ウクライナ政府は米国の情報を元に将官らの居場所を特定したと伝えている。

 米国家安全保障会議(NSC)は、同紙の主張は「無責任」だと強く非難した。

 NSCのエイドリアン・ワトソン(Adrienne Watson)報道官は、AFPに電子メールで、米国の情報提供はウクライナ防衛支援のためで、ロシア軍将官殺害が目的ではないと説明した。

 ウクライナでロシア軍将官の死が相次いだことは、西側諸国を驚かせた。西側諸国は3月下旬時点で将官7人の死亡が確認されたとしている。ウクライナは、その後も将官の殺害に成功したと発表している。

 将官殺害をめぐっては、暗号化されていない通信手段を使っていたため場所を特定された可能性が指摘されていた。だが、ニューヨーク・タイムズ紙は、米国をはじめとする西側諸国の情報機関がウクライナ側を直接支援したことが戦果につながったとしている。

 同紙によると、米国は頻繁に居場所を変えるロシア軍司令部の情報を提供していた。

 米国防総省は2月、ウクライナの存続を支援するだけだとしていたが、現在はロシアを長期的に弱体化させることが目的だと明言している。

 ロイド・オースティン(Lloyd Austin)長官は4月下旬、ウクライナの首都キーウ訪問後、「われわれは、ウクライナ侵攻のようなことを繰り返せない程度にロシアを弱体化させたい」と話している。

 AFPは同省に対し、記事についてコメントを求めたが、これまでに回答を得られていない。(c)AFP