【5月4日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は3日、南部アラバマ州トロイ(Troy)にある航空防衛機器大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)の対戦車ミサイル「ジャベリン(Javelin)」製造工場を視察した。

 バイデン氏は作業員約300人の前で演説し、「あなた方が触れたこれらの兵器は、ウクライナの英雄の手に渡り、大きな戦果を挙げている」として、西側諸国からウクライナへの兵器供与を支えていることを「誇り」に思うべきだと称賛した。同工場は過去20年間にジャベリン5万基以上を製造した。

 米国はこれまでにジャベリン5500基以上、ロシア軍の戦車1台に対して10基をウクライナに供与した。バイデン氏によると、ウクライナでは生まれた子どもに「ジャベリン」または「ジャベリナ」と名付けた親もいるという。

 バイデン氏は、同工場の作業員を日本やナチス・ドイツ(Nazi)と戦うための兵器を量産することで第2次世界大戦(World War II)の形勢逆転に貢献した労働者になぞらえた上で、「米国が派兵して第3次世界大戦(World War Ⅲ)に巻き込まれるリスクを冒すことなく、ウクライナの自衛を可能にしている」と称賛した。

 さらに、ウクライナとウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領率いるロシアとの戦いは、民主主義国と中国などの専制主義国との戦いの戦線の一つにすぎないと指摘。ウクライナ紛争は中国の習近平(Xi Jinping)国家主席の「民主主義は時代遅れ」との主張が間違っていたことを示すもので、民主主義の今後を占う最初の戦いだと述べた。

 また、さらなる軍事支援に向けて330億ドル(約4兆3000億円)の追加予算の早急な成立を議会に求めた上で、「この戦いは安くは済まないが、侵略に屈すればそれ以上に高くつくことになる」と述べた。(c)AFP/Nicholas Kamm with Sebastian Smith in Washington