【5月4日 AFP】ロシアは3日、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相によるナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)に「ユダヤ人の血」が流れていたとの発言に対するイスラエルからの非難について、イスラエルが「ウクライナのネオナチ(Neo-Nazi)政権を支持している」証拠だと反論した。

 イスラエルのヤイル・ラピド(Yair Lapid)外相は2日、ラブロフ氏の発言を「許し難く言語道断。甚だしい歴史誤認」と非難し、ロシア大使を呼び出して説明を求めた。

 ラピド氏は「ユダヤ人はホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大虐殺)で同胞を殺害していない」「ユダヤ人を反ユダヤ主義と非難するのは最低の人種差別だ」と述べた。

 これに対しロシア外務省は3日、声明で「歴史に反しており、イスラエルの現政権がウクライナのネオナチ政権を支持すると決めたことを示唆している」と非難し、「残念ながら、ユダヤ人とナチスの協力という悲惨な歴史的前例がある」と主張した。

 ラブロフ氏は伊メディア大手「メディアセット(Mediaset)」傘下のチャンネル「レーテ4(Rete 4)」が1日に公開したインタビューで、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領が、自身がユダヤ系なのでウクライナにナチズムは存在しないと主張しているとした上で、「私の誤解でなければ、ヒトラーにもユダヤ人の血が流れていた」と指摘した。

 ロシアはウクライナでの「特別軍事作戦」について、「非軍事化」と「非ナチ化」が目的だと繰り返し主張している。(c)AFP