【5月2日 People’s Daily】オンラインで「24時間営業」のルートが開通し、無人配送車による宅配やスマート宅配ロッカーなどが広まりつつある。ビッグデータやAI、クラウドコンピューティングなどの急速な技術発展に伴い、小売業のスマート化・デジタル化の動きが中国では加速している。

 広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)に住む王さんは最近、移動中にいつも「天虹スーパーがお家に」と書かれた無人車を見かけるようになり、好奇心から試してみた。スマートフォンのミニアプリから果物や魚、野菜、油などの生活用品を買い、すぐに無人車が商品を載せて王さんの住む住居区の入り口に来た。

 このような無人車は人間が配送するよりメリットが多い。まずキャパシティーが大きく、積載量は500キロに達し、一度の充電で120キロメートル走行できる。さらに、信号を認識できるだけでなく、前後の障害物を自動で識別し、避けたり低速で迂回(うかい)したりすることもできる。また、温かい商品や冷凍の商品を保温しつつ運ぶこともできる。小売企業の天虹デジタル商業会社のCEOの高書林(Gao Shulin)氏によれば、同社は無人車による配送サービスを推進していくそうである。

 天虹スーパーの試みは近年の中国小売業が絶え間なく模索するスマート型小売業への転換の縮図と言える。インターネットやモノのインターネットなどの最先端技術を通して、消費習慣や趨勢(すうせい)を感知・予測し、生産を引導し、消費者に多様化・個別化した製品やサービスを届ける。無人スーパーやミニアプリでの注文、バーチャルリアリティーでの衣類試着、無人車による配送などは全てスマート小売業の応用例である。

 無人配送車以外にも、宅配分も現在の市民生活においてますます大きな存在になっている。江蘇省(Jiangsu)常州市(Changzhou)に住む陳さんは居住区内のクラウドロッカーサービスに新しい機能がついたのに気がついた。宅配便をいつでも取りに来られるだけでなく、出前でオーダーした食事、生鮮食品などの配送にも対応するという。

 新型コロナウイルスの防疫期間中、ゼロコンタクト配送のスマート宅配ボックスや、クラウドロッカーなどの新しい業態が現れた。陳さんが住む居住区のクラウドロッカーはクラウドコンピューティングとモノのインターネット技術を使い、中に入っている商品をスマートシステムで識別・管理・保存する。住民がアプリで野菜や果物、海鮮、半加工食品などを買うと、管理業者がすぐ購入を行い、コールドチェーンで輸送し、住人は居住区の冷蔵ロッカーで受け取るか、玄関まで届けてもらうことができる。

 専門家によれば、スマート小売業の誕生は5Gの大規模な普及、モノのインターネットの広い範囲での接続など、インターネットの基礎インフラ建設能力を試す場である。ビッグデータの処理能力や演算能力、演算の最適化を絶え間なく向上させ、人とモノとの高度なマッチングを実現させていく必要があるだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News