【5月2日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は1日、ロシア軍に包囲されている南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)のアゾフスターリ(Azovstal)製鉄所から約100人の民間人が避難したと発表した。

 ゼレンスキー氏はビデオ演説で「きょう、ようやくアゾフスターリにいる人々の避難を開始することができた」と述べた。避難民は2日にウクライナ支配下のザポリージャ(Zaporizhzhia)に到着予定という。

「(アゾフスターリ製鉄所で)初めて本格的な停戦が2日間実現した。女性や子どもを中心にこれまでに100人以上の市民が避難した」と説明。2日午前8時(日本時間同午後2時)からも避難が予定されていると語った。

 国連(UN)はこれに先立ち、民間人の退避が行われていると発表。赤十字国際委員会(ICRC)も退避を支援している。

 一方、ロシア国防省は、避難した民間人は80人だと述べた。ウクライナの支配地域への退避希望者を国連やICRCに引き渡したとしている。

 国連とICRCは退避中の民間人の人数を公表しておらず、ロシア側の発表との相違の理由は不明。

 ロシアの報道では、製鉄所にはなお500人以上の民間人が残っているもよう。

 ウクライナの東・南部では戦闘が激化。東部の一部地域では、ロシア軍がわずかずつではあるが着実に前進。全土にわたって主にインフラや補給線を標的にした攻撃も行っている。

 これに対し、ウクライナ軍はここ数日間で北東部ハルキウ(Kharkiv)周辺地域などを奪還した。

 ただ、東部ドンバス(Donbas)地方の複数の村が制圧されており、ウクライナ政府は、同地方の防衛を強化するため西側諸国に大型兵器の提供を要請している。(c)AFP/Joshua MELVIN