【5月2日 AFP】テニス、四大大会(グランドスラム)のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)がロシアとベラルーシの選手の出場を禁止したことについて、男子のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が1日、ウィンブルドンの判断は「不公平」だと報道陣に話した。

 グランドスラム通算21勝を挙げているナダルは、大会を主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)が「最も抜本的な選択肢」を選んだと信じており、ツアーに何とかしてこの件に介入してほしいと考えている。

 ロシアのウクライナ侵攻を理由に、同国とベラルーシの選手を大会から締め出すというウィンブルドンの判断は、ツアーを運営する男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)だけでなく、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)をはじめとする選手からも強く批判されている。

 この措置で、男子の世界ランキング2位に立つロシアのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)や、昨年4強入りしたベラルーシ出身のアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka)ら、多くの有力選手が今年のウィンブルドンには出場できない。

 ナダルは「ロシアの選手仲間にとっては不公平だ」と話し、「あの戦争で今起こっていることは、彼らの責任ではない」と述べた。

「彼らをかわいそうに思う。こんな形にならなければよかったが、結局のところ、現実にはこういうことになっている」

 肋骨(ろっこつ)の負傷から6週間ぶりに戦線復帰するナダルは、この件は自分たち選手がはっきりした姿勢を示せるかに懸かっているかもしれないと話している。

「同じ選手仲間として、自分に言えるのは、彼らに同情するということだ」としたナダルは、「こういう事態にならなければよかった」と繰り返すと、「これから数週間の展開を見ていく必要があるし、僕ら選手が態度を明確にするべきかも確認していきたい」とコメントした。

「何かが間違っている」 (c)AFP/Reem ABULLEIL