酸攻撃の被害女性、苦しむ仲間に救いの手 メキシコ
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■「一生忘れない」
2人の娘を持つサンチェスさんは、彼女を虐待した元パートナーを3回にわたり警察に訴えた。だがパートナーは処罰を逃れたうえ、別れた後の2014年にサンチェスさんの顔に酸を浴びせたのだ。
「一生忘れられないようなことをしてやると、彼は言ったのです」
基金では犠牲となった女性たちが治療や法的アドバイス、心理療法などを無償で受けられるよう手助けしている。現在支援しているのは8人で、その1人がジャスミンさん(34)だ。
1年半前、ジャスミンさんは仕事を終えて職場を出たときに突然、女性から液体をかけられた。片方の耳を失い、まぶたや首、両脚、片腕にやけどを負った。元パートナーが仕向けたのだろうと疑っているという。
攻撃の前から何年にも及んでいたパートナーの暴力について、ジャスミンさんはこれまで口を閉ざしていた。だがカルメン・サンチェス基金のおかげで今では解放された気分だと話す。
「私たち(被害者)が非難されることはありません。何か理由があったからやられたんだなどと誰も言いません。今は守られていると感じています。こんな目に遭ったのは私だけだと思っていましたが、世界中で起きている問題だということも分かりました」
マルタ・アビラ(Martha Avila)さん(63)は2017年、娘の元夫に酸をかけられた。「彼は娘を襲いに来て、娘が見つからないと、私に向かってきました。『やつが好きなものをめちゃくちゃにしてやる』と言いました」
全身のほぼ半分にやけどを負いながらも、アビラさんは被害を受けたのが娘ではなく自分で良かったと言う。「まだ若くして人生を壊されるなんて想像がつきません。しかも、その加害者が(娘の)子どもの父親だなんて」とやるせない様子で語った。(c)AFP/Sofia Miselem