【5月8日 AFP】中国の若者の間で今、新たなストレス解消法として、糸で絵を描く「タフティング」がはやっている。

 タフティングガンと呼ばれる手芸用の銃を使って、木枠に留めた布に糸を縫い込みながら、さまざまな形や模様を描いていく。

 北京のタフティング工房「iHome」には毎週末、手芸好きの若者が集まり、一日中、丁寧に作業を進めている。漫画のキャラクターを描いたラグやカラフルなハンドバッグなどの作品を見せ合い、おしゃべりと笑いが絶えない。

「タフティングは良いストレス解消になると思います」。大学生のノラ・ペン(Nora Peng)さんは、タフティングガンの音に声をかき消されそうになりながら言った。「毎日、教科書を読むことに追われて疲れているんです」

 国営企業で働いているという女性は、「忍耐力が必要ですが、コツさえつかめば難しくはありません」と語った。

 格差の拡大から生活費や不動産価格の高騰まで、中国の若者はプレッシャーの多い日々の生活の中で、リラックスできる方法を常に探している。

 タフティング人気に火が付いたのはここ3~5か月のことだが、iHomeは首都圏ですでに9店舗をオープンしている。中国最大級の口コミサイト「大衆点評(Dianping)」によると現在、北京市内だけで140以上のタフティング工房がある。

 別のタフティング工房のオーナー、マオ・ウェイ(Mao Wei)氏によると、課題はリピーターの獲得だ。今のところ、多くは「好奇心から来た」一回限りの客だという。

「市場が一定の規模に達したら、打ち止めだとは思っています」とウェイ氏。「でも、人気はまだ上り調子です」 (c)AFP