【4月28日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領が昨秋、法廷での宣誓証言で、デモ隊がトマトやパイナップル、バナナなど「危険物」を投げ付けてくるのを恐れていたとし、その結果「殺されてしまうこともある」と考えていたことが、26日に公開された文書で明らかになった。

 文書は、ニューヨーク・マンハッタン(Manhattan)のトランプタワー(Trump Tower)前で2015年9月に起きたデモの際、トランプ氏の警備員から暴行を受けたと主張するメキシコ系グループが起こした民事訴訟に関するもの。トランプ氏は昨年10月18日、約4時間半にわたって証言した。

 ベンジャミン・ディクター(Benjamin Dictor)弁護士の質問に対し、トランプ氏は「デモ隊が果物を投げてくるのに備え、警備員には用心しておいてほしかった」と答え、「ちなみにトマトは手に負えない」が「さらに手に負えない果物もある」と語った。

 ディクター氏は、2016年の大統領選を控えてトランプ氏がアイオワ州で開いた集会で、トマトを投げようとしている人がいたら「そのばか野郎をたたき出せ」と発言したことについてもただした。

 トランプ氏は「あれは聴衆に向けたものだ。ちょっとした冗談だった」と話した。「ただし、少しは真実かもしれない。(果物は)非常に危険なものだ。殺されることもある」とも補足した。

 ディクター氏はさらに「トマトを投げようとしている人を見つけたらたたき出せ、という警備員への期待」なのかと尋ねた。

 それに対しトランプ氏は「そうだ。彼ら(警備員)はそうした事態を防ぐために果敢でなくてはならないと思う。そんなことが起きたら殺されるかもしれないのだから」と答えた。(c)AFP