字幕:ベネチアビエンナーレ、戦時のアートの役割を問う ウクライナ館
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■歴史の激動を記録する
マコウ氏の作品は、キュレーターのマリア・ランコ(Maria Lanko)氏によってキーウから運ばれた。侵攻が始まった2月24日に車でキーウを出発し、6日間かけてルーマニア、ハンガリー、オーストリアを通ってイタリアに運び込まれた。
メイン会場のジャルディーニ(Giardini)近くにあるロシア館の中は空だ。ロシアのキュレーターとアーティストは、自国によるウクライナ侵攻を受け、参加を辞退した。アーティストの一人は「民間人が死んでいるときにアートどころではない」と述べた。
主催者側はこの動きを支持し、ロシア政府関係者全員を美術展と関連イベントから締め出した。ロシアに対する世界的な文化的ボイコットに加わった形だ。
マコウ氏自身は、92歳の母親を含め家族と一緒にウクライナを後にし、今はオーストリアに滞在している。急いで荷造りをしたので「持ち出せたのは必要書類と現金だけ」だったと話した。
昨年は新型コロナウイルス流行のために開催されなかったビエンナーレの会期は、11月27日まで。今年のテーマは「ザ・ミルク・オブ・ドリームズ(The Milk of Dreams、夢のミルクの意)」だ。イタリア人のキュレーター、セシリア・アレマニ(Cecilia Alemani)氏によると、女性やノンバイナリーのアーティストが多数を占める。
アレマニ氏は「ビエンナーレの別の役割は(中略)歴史の激動を記録することです」と語った。
映像は19、21日撮影。(c)AFP/Kelly VELASQUEZ / Rebecca GNIGNATI