【4月27日 AFP】中東パレスチナ自治区のガザ地区(Gaza Strip)で、女神の頭をかたどった像が発見された。同地区の考古学当局が25日、発表した。

 ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の観光・遺跡省によると、女神像は同地区南部ハンユニス(Khan Younis)で、自分の土地を耕していた農家が発見した。石灰岩を彫って作られており、高さ22センチ。紀元前2500年ごろのものという。

 同省の遺跡担当者、ジャマル・アブレダ(Jamal Abu Reda)氏は「この像はカナン人の女神アナト(Anat)を表したものだ」との見方を示した。アナトは愛と戦争をつかさどる女神だ。

 アブレダ氏によると、像が見つかった場所は、かつて存在した「複数の文明」にとって重要な「陸の貿易路」に当たる。

 ガザ地区では考古学的発見が相次いでいるが、ハマスの実効支配が始まった2007年以降、イスラエルが同地区を封鎖しているため遺跡観光は限られている。

 2月には同地区北部の建設現場で、1世紀ごろの古代ローマ時代の墓31基が見つかった。(c)AFP