【4月27日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は26日、首都モスクワを訪問した国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長と会談し、ウクライナでの紛争終結に向けた交渉で合意に達するとの望みを今も持っていると表明した。

 テレビ放送された会談の映像で、長テーブル越しにグテレス氏と対面したプーチン氏は「軍事作戦が進行中だが、われわれは外交路線で合意に達することを望んでいる。われわれは交渉中であり、(協議を)拒否はしない」と述べた。

 交渉が行き詰まっている理由として、ウクライナの首都キーウ近郊のブチャ(Bucha)でロシア軍が民間人を虐殺したとの疑惑に言及。「ブチャの村で挑発行為があったが、ロシア軍はまったく関係ない」と言明し、「どのような手段で、どんな人々がこの挑発を準備したのか知っている」と述べた。

 また、ロシアのウクライナ侵攻に関するグテレス氏の懸念は承知しており、話し合う用意があるとしつつも、ウクライナ情勢悪化の理由は2014年に親ロ派のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)元大統領が失脚した「反国家クーデター」にあると主張した。

 一方のグテレス氏は、ロシアとウクライナが国連と協力して、ウクライナの民間人退避と支援物資輸送のための回廊を設けるよう呼び掛けた。同氏はこの日先に臨んだセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相との会談でも同様の要求をしていた。(c)AFP