■遺伝性疾患の要素の有無も明らかに

 DNA検査では、犬種を明らかにすること以外に、遺伝性疾患の要素の有無も明らかにできる。最も高価な検査を選べば、心臓の異常、腎臓の障害、早発性難聴などを引き起こす遺伝子を突き止めることもできる。

 ワシントンの獣医師サラ・ボウマン(Sarah Bowman)氏は「遺伝子マーカーがあるからといって、必ずしもその疾患があるとは限りません」と忠告しつつ、DNA検査で前もってリスクを知り、配慮しながらペットを飼えるようになると述べた。

 米国獣医師会(American Veterinary Medical Association)は「ペットの検査結果に基づいて何らかの判断をする前に、獣医師に相談すること」を勧めている。

 他方で、飼い主は、ペットの犬種を知ることで生じる影響も考慮しておく必要がある。多くの国では、ピットブルやスタッフォードシャーテリアなどは攻撃的な犬種と見なされ、集合住宅での飼育が禁止されている。

 ピットブルの血統が入っていることが分かれば、家主との間で「問題にもなりかねません」と、弁護士のバルトスさんは警告する。

「その情報を知りたくないのであれば、犬種のDNAを調べるべきではありません」 (c)AFP/Valentin GRAFF