【4月26日 AFP】24日に決選投票が行われたフランス大統領選挙では、中道派の現職エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)氏が極右政党「国民連合(RN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首を破って再選を果たした。しかし、極右が今回ほど政権獲得に近づいたことはかつてなく、マクロン氏は深く分断した国を統合するという困難な課題に直面している。

 内務省が発表した最終開票結果によると、得票率はマクロン氏が58.54%、ルペン氏が41.46%だった。投票率は大統領選の決選投票としては1969年以降で最低の72%を記録。投票した人の8.6%は白票や無効票を投じ、政治に対する不満を浮き彫りにした。

 仏紙ルモンド(Le Monde)は、マクロン氏の当選を「大手柄なき勝利の夕べ」と形容。左派紙リベラシオン(Liberation)も、「栄光なき勝利」と評した。

 マクロン氏の当面の課題は、6月の議会選に向けた準備、大きな火種となっている年金改革の実施、ロシアによるウクライナ侵攻への対応など、すでに山積。英シンクタンク「欧州外交評議会(European Council on Foreign Relations)」のパリ支局長で上級政策研究員のタラ・バルマ(Tara Varma)氏は、「マクロン氏の最大の課題は、極度に分断された国に団結心を生み出すことだろう」と指摘する。

 マクロン氏は今後2週間以内に組閣をする見通し。ジャン・カステックス(Jean Castex)首相の退任はほぼ確実で、他の閣僚も一部交代するとみられる。(c)AFP/Stuart WILLIAMS and Jurgen HECKER